ディープ・アフェクション
もうきっと、里茉はカエルなんて渡してこない。
恋愛がどういうものかも、ちゃんと分かってる。
分かっていて、俺の腕の中に、居るんだ。
「ふふふ」
無言で抱きしめ続けていると、腕の中の里茉がいきなり笑いだした。顔が見える位置まで身体を離して「なに笑ってんだよ」と眉を寄せた俺に、里茉はいっそう笑みを深める。
「皇明ってさ、結構 私のこと好きでしょ?」
「はぁ?」
…本当にこいつは。
なんにも分かってねえ。
男として見られるのに10年。
その身体に触れられたのはさらに1年。
まじで俺の粘り勝ち。
だからさ、あんま甘くみないでほしい。
「バカかよ、お前」
だらしないほどに緩んだその頬をむにっと摘めば、里茉はまたふへへ、と嬉しそうに笑ってくるから、ほんとうにムカつく。
ムカつくから、その小ぶりな唇を噛み付くように塞ぐ直前、一度も口にしたことの無い本音を落としてやった。