最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 アレクは今も、側近だったダニーのことを気にしていたのだ。
 王太子としてはたしかに甘いかもしれないが、ララリの言うように、本当に優しい人なのだと思う。
 だが。
「あのような犯罪者に、まだ関わるつもりですか?」
 聞こえてきた冷たい声に、思わず息を呑む。
 これは本当に、あの王女なのだろうか。
 アレクはたとえ罪を犯してしまっても、友人には変わりがないと反論しているようだ。
 だが、ミルファーはそんな兄にきつい言葉を投げつけ、さらに儀式のときの話まで持ち出して、アレクを役立たずと罵った。
(これは……。まるで、悪役令嬢だったセシリアのような……)
 セシリアもこうして、ヒロインや王女のミルファーを罵っていた。
 彼女たちをわざわざ呼び出して、役立たずだと嘲笑っていたのだ。
 思えば今の王女はかつてのセシリアのように、学園で一番魔力が強い。
 王太子である兄よりも、ミルファーの方がずっと強いのだ。
 王女であるミルファーさえも蔑んだセシリアのように、今のミルファーもまた、魔力の強さに傲慢になり、王太子である兄にさえ、こんな態度をするようになったのか。
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