最強守護騎士の過保護が止まりません!~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~
 魔力に長けた公爵家の娘だというのに、Bクラスだったことを叱られるのか。そう思ったセシリアは、すばやく謝罪の言葉を口にする。
「はい。残念ながらわたしの努力が足りず、Aクラスにはなれませんでした」
「いや、お前の魔力がそれほど強くないと聞いて、安心した」
「お父様?」
 それなのに、父がぽつりと口にした言葉は、驚くべきものだった。
「マリアンジュが体調を崩したのは、魔力が強すぎる子供を産んだせいだと思い、無意識にお前を疎んじていたようだ。だがBクラス程度の魔力しかないのなら、それは間違いだった」
 すまなかったな、と言われ、セシリアは何も言えずに父を見つめる。本当に、父にとって大切なのは、母のマリアンジュだけなのだ。
「いえ、そこまでお父様に想われているお母様を、少し羨ましく思います」
 慌ててそう答えたが、実際、セシリアの魔力はアルヴィンよりも高い。
 自分よりも魔力の高い子供を産むのは、身体にかなり負担がかかると聞いたことがある。母の体調不良は間違いなく自分のせいだ。
 むしろ父の怒りは正当なものだと思う。
 複雑な思いで父のもとを退出した。
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