実らない恋だとしても… あなたへの想いが溢れそうです


「これまで、ここに女を入れた事は無いんだ。」

「ウソ…。」
「お前、夏子の言った事を信じていたんだろう。」

いつかの夜、言い争った時に夏子から聞いたと言った事だ。

『…いつも沢山の女性に囲まれていらっしゃるんでしょ。』
『モデルさんや、女優さんと…デートしてるって…。』

真穂は俯いてしまった。
妹の言葉を鵜呑みにしたまま、彼にぶつけたのだ。


「あなたが沢山の女の人と付き合ってるって話ね?」

「それは…全部否定する気は無いが、ここに連れて来たのはお前だけだ。」

「だけど、どうして?」

「聞いたよ。加瀬貴子が君の結婚相手を探してるって。」
「嫌だ、米田さんね。」

「何だが、面白くないな。」
「あなたに関係ないでしょう?」

「この前の夜…。」
「言わないで!」

グッと洸の腕が力を増して、真穂の身体を引き寄せた。

「あの夜、お前も感じていただろう?」
「言わない…で…。」


洸の手が真穂の背を撫で、タイトスカートに包まれたヒップをキュッと握る。

「こんなセクシーな恰好で誘っているのか?」
「まさか!」

真穂が顔を上げた瞬間を、洸は逃さなかった。



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