夢のつづきを君と歌う
「まぁまぁ、恥ずかしいのも分かりますよ。ラブレターを人に読まれるのと同じですからね。
だからこそ、奏音さんみたいな方は勇気があって素晴らしいと思います」
「……ありがとうございます」
「あ、今日言いたかったのはこれじゃなく、成長してますねと言いたかったんです。
初めて見た時から頭一つ抜けてましたけど、改めて高校生バンドの中では圧倒的だと感じてます」
ま、マジ!?
「これからは『Will』のライブにも積極的に見に来たいと思ってます。
その為に皆さんと連絡先を交換したいのですがよろしいですか?」
『──は、ハイ……!!』
めちゃくちゃ嬉しいんだけど!
事務所の人から声を掛けられたってことで良いんだよな!?
夢に一歩、近付いたってことで良いんだよな!?
はしゃぎたい気持ちをどうにか理性で抑え込んで、連絡先を交換して、名刺を貰った。