生徒会室で甘い、秘密の時間









「スピーチすっごい良かった!」


「もう、恥ずかしいよ」


帰り道、すずに何回もそう言われて恥ずかしすぎる。


「でも本当に良かったよ」


「さやちゃんにそう言ってもらえると信じられる....。
すずはからかってるようにしか聞こえないから」


「もー、ちはるひどー!」


冗談をとばすとすずが私を軽く小突く。


「ねえ。美輝は、さ....」


さやちゃんがおずおずと続ける。


「あのスピーチを聞いてどう思ったかな?」


「わからない....。けど私ね、美輝ちゃんに話に行こうと思うんだ」


人の心なんて読めない。


だからこそ、きちんとスピーチのときみたいに話したい。
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