生徒会室で甘い、秘密の時間
*
「スピーチすっごい良かった!」
「もう、恥ずかしいよ」
帰り道、すずに何回もそう言われて恥ずかしすぎる。
「でも本当に良かったよ」
「さやちゃんにそう言ってもらえると信じられる....。
すずはからかってるようにしか聞こえないから」
「もー、ちはるひどー!」
冗談をとばすとすずが私を軽く小突く。
「ねえ。美輝は、さ....」
さやちゃんがおずおずと続ける。
「あのスピーチを聞いてどう思ったかな?」
「わからない....。けど私ね、美輝ちゃんに話に行こうと思うんだ」
人の心なんて読めない。
だからこそ、きちんとスピーチのときみたいに話したい。