私のおさげをほどかないで!
***
「向井さん、何かありましたか?」
さすがにガヤガヤし過ぎてしまったらしい。
ドリンクの冷蔵庫裏でドリンク類の補充をしていた店長が出てきてしまった。
真っ直ぐカウンターに入ってくるなり、私の背後に立って小声でそう問いかけてきた。
ど、どうしようっ。
別に何もありません、というのも何か違う気がして……でも何かあったか、と聞かれたらそれも違うし。
今現在、鳥飼さんの買い物は依然として会計途中で、彼はのほほんとした様子で私の前にいる。
でも、こんな人でも一応お客様。
彼の前でワタワタしてしまうのは店員として失格な気がする。
どうしたらいいんだろうって思案していたら、
「あのー、店長さん。彼女は何も悪くないです。俺が会計時に連れとトラブって、騒がせちゃってね。彼女はたまたま俺の前にいてとばっちり食っただけです。本当、すんません」
って。
え、うそ……、助け舟、出して……くれたの?
谷本くんはチラチラとこちらを気にしつつも他のお客さんの接客に追われていて何も言えない中で、鳥飼さんのその言葉は私にとってある意味渡りに船だった。
「向井さん、何かありましたか?」
さすがにガヤガヤし過ぎてしまったらしい。
ドリンクの冷蔵庫裏でドリンク類の補充をしていた店長が出てきてしまった。
真っ直ぐカウンターに入ってくるなり、私の背後に立って小声でそう問いかけてきた。
ど、どうしようっ。
別に何もありません、というのも何か違う気がして……でも何かあったか、と聞かれたらそれも違うし。
今現在、鳥飼さんの買い物は依然として会計途中で、彼はのほほんとした様子で私の前にいる。
でも、こんな人でも一応お客様。
彼の前でワタワタしてしまうのは店員として失格な気がする。
どうしたらいいんだろうって思案していたら、
「あのー、店長さん。彼女は何も悪くないです。俺が会計時に連れとトラブって、騒がせちゃってね。彼女はたまたま俺の前にいてとばっちり食っただけです。本当、すんません」
って。
え、うそ……、助け舟、出して……くれたの?
谷本くんはチラチラとこちらを気にしつつも他のお客さんの接客に追われていて何も言えない中で、鳥飼さんのその言葉は私にとってある意味渡りに船だった。