ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「危なかったな」

 自身の腕に抱いた蒼斗を見下ろしている蒼さんは、大きく息を吐き出した。

 当の本人は、蒼さんを見上げてキャッキャとはしゃいでいる。

「ありがとう。危機一髪だった」

「本当に子供は目が離せないな。滑らないようにマットでも買うか」

 育児の大変さを理解しようとしてくれている姿勢に胸が温かくなる。そして自分以外に子供を見守る大人がいることが、こんなにも安心感をもたらしてくれるのだと身に染みた。

「蒼さんって子供が苦手なのに、扱いが上手いよね」

 何気なく放った言葉に蒼さんは怪訝な顔色になった。

「いつ苦手だなんて言った?」

「え……えっと、付き合っていたときに、黒崎さんとの電話で『子供は苦手』だって話していたよね」

 蒼さんは合点がいったというふうに息をつく。

「あれは子供の脳を診察するのが苦手という意味だ。だから海外へ行って学んだわけだし、俺は子供が好きだよ」

 そうだったんだ……。
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