ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「今日の夕飯はカレーだから。いつも蒼斗の分は小分けして甘口にしているから、私たちの分は辛くするよ」

『いいね。辛いカレー好きだから楽しみにしてる』

 電話の向こう側で誰かの声が聞こえた。勤務中に夕飯のメニューについてのんびり語っている場合ではなさそう。

「仕事頑張ってね」

『ありがとう』

 通話を終えてスマートフォンをテーブルに置く。心臓がドッドッと走ったあとのように高鳴っている。

 とにかく気持ちを落ち着けなきゃ。

 入れたコーヒーは熱すぎてまだ口をつけられないので、マグカップを持ったまま蒼斗が眠る寝室へと移動した。

 スース―と可愛らしい寝息を立ててよく眠っている。起こさないように静かにソファへ腰掛けて、コーヒーをちょっとずつ喉へ流し込む。

 結婚をしていないということは、莉々沙先生とお見合いをしなかったのだろうか。もしくは交際したけれど上手くいかなかった?

 どちらにせよ、私が身を引く必要はなくなったんだよね。
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