ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 これ、クレジットカードだ。絶対にわざと置いていったよね?

 すぐに蒼さんへ電話をかける。

『どうした?』

「カード置いていったでしょ」

『俺の分の食事を作ってもらうんだから、食費は払わないといけない。買いものはそれを使うようにして。暗証番号は俺たちの交際記念日になっているから』

 突っ込みどころが多すぎて開いた口が塞がらない。

「……使えないよ」

『そうなると、俺は夕飯を食べられなくなる』

 とんだ屁理屈だ。蒼さんってこんな強引な人だったっけ。

『そのままテーブルに置きっぱなしにするのも危ないから、みちるが持っていて』

 ダメだ。論破できない。なにより私たちの記念日を暗証番号にしているというのが、心に大きな衝撃を与えて平静ではいられなかった。

「ひとまず預かっておく」

 私の返事に蒼さんは『真面目だな』と笑う。
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