ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「蒼さんはどっちがいいの?」

「俺は……まあ、しいて言えばパパかな」

 プレッシャーを与えないように配慮したのか、それとも本音なのか。

「蒼さんはパパがいいって言ってるけどどうする?」

 蒼斗はふにゃっとした顔で両手を広げ、ダイブする形で頼もしい胸に飛びつく。しっかりと腕に抱き留めた蒼さんはすっと立ち上がった。

「パパ、あれ」

 質問に答える形ではなかったけれど、蒼斗はたしかにパパと呼び、テレビ画面に映る誰もが知っている有名なアニメキャラクターを指差した。

「パン」

「たしかにパンだけど……蒼斗がパン好きなのはこれの影響か」

「違うと思うけど」

 すかさず突っ込みを入れ、肩を揺らして笑う。

 なんでもない平和な昼下がりがとても愛おしくて、いつまでも続きますようにと願わずにはいられなかった。
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