ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 
 ラグジュアリーホテルの上階にあるイタリアンレストランに、予定時刻ちょうどの十七時三十分に到着する。

 このホテルは私たちが別れ話をした場所なのでひとり感慨深くなった。

 店内はきちんと照明で照らされていて、暗いところを怖がる蒼斗でも安心して過ごせそうだ。

 イタリアンにしたのも、ナポリタンが好きな蒼斗が楽しみながら食べられるようにと、蒼さんが配慮してくれたから。

 これで父親歴二ヶ月に満たないときたものだから、なんでもそつなくこなす人だと脱帽せずにはいられない。

 すでに個室席に通されていた両親は、私たちが入るなりさっと席から立ち上がった。蒼さんは蒼斗と手を繋いだまま綺麗なお辞儀をする。

「改めまして、みちるさんと交際をさせていただいております、大槻蒼と申します。本日はお時間をとっていただきありがとうございます」

 両親も緊張した面持ちで挨拶をしてようやく全員着席した。
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