ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「艶やかな部屋に、綺麗なみちるは映えるな」

 照れくさい台詞も、毎晩狸寝入りの際に聞いているので慣れてきた。それに私はこういう甘い言葉を吐かれるのがわりと好きだったりする。

 蒼さんは自宅マンションにいるときとなんら変わりない余裕があり、整った顔に影ができていて色っぽい。

「それは蒼さんでしょ。シャンパングラス片手に、ソファで脚を組んで座ったら絵になるよ」

「やってみるか」

 冗談だとわかっているので、ふふふっと笑う。少しでも緊張をほぐそうとしているのが手に取るようにわかった。

 彼のこういうさり気ない優しさが好きだ。

「まずは乾杯しないか」

 ソファに腰掛けてグラスにシャンパンを注ぎ、パチパチと弾ける泡を眺めながら口を開く。

「ふたりでお酒を飲むのも、あの日以来だね」

「でもあの日とはなにもかも違う」

 グラスを優しくコンッとあてて、互いにシャンパンを喉に流し込んだ。
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