ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「溝口さん、私たちにはお父さんの情報を流していたのに、お父さんにそれを伝えて返済を催促はしなかったんだね」

 蒼さんが嫌な名前を聞いたとでも言いたげな表情を作ったので、返事を待たずに話題を変える。

「あのふたり大丈夫かな。蒼斗もだけどそっちも心配」

「金森さんが舵を取って上手くやっているだろう」

「そうだといいけど」

 グラスを傾けて二口目をごくりと飲む。蒼さんはすでに二杯目を注いでいた。

「みちるが酔う前に風呂に入ろう」

「それもそうだね」

 手にしていたグラスをテーブルに置く。

「一緒に入るか?」

「それはだいぶハードルが高い。妊娠出産を経てかなり体形が変わったし、できれば見られたくな
い」

「そう言われると見たくなるのが男なんだけど」

 無理だ。明るい場所で隅々まで見られたら、ショックを受けて立ち直れない。

 口元を歪めると蒼さんは苦笑いした。

「そんな顔するなよ。わかったから先に入っておいで。バスルームにタオルとバスローブ、化粧品類も用意されているから」

「あとから入ってくるとかなしだよ」

「入らないから。信用ないなあ」

 笑いながらグラスに口づけた蒼さんを尻目にバスルームへと向かう。

 告白をして互いの関係が変わったから、恋人らしい会話が自然と飛び交ってちょっとむず痒い。

 でもそれが嬉しくもあり幸せを感じた。
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