ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「金森さんっていつも綺麗な恰好しているよね」

 私が関わっているアパレルブランドの主なターゲット層は働く二十代女性で、通勤服や綺麗めなカジュアルコーデだ。だから私もそのような服を着ている。

「仕事が服飾デザイナーなんです」

「ああ、だからか。金森さんの周りだけいつも輝いて見えるよ」

 これは褒められているのかな?

 ふふふっと笑いながら「なんですかそれ」と口元に手をあてる。流れで手元をジッと見つめられて胸がドキッと高鳴った。

 なんだろう……派手なネイルが気になったのかな。

 ついと目線を落とし、なんとなく私も大槻先生の指を眺める。

 長くて綺麗な指だな、と思った。この手にこれまでたくさんの命が救われてきたのだ。

 外に出ると爽やかな風が頬をくすぐるように滑っていく。陽射しはそう強くなく、日向ぼっこという表現が一番しっくりくる晴れ模様だった。
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