ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 ベンチに並んで腰掛けて、「いただきます」と手を合わせてからサンドイッチにかぶりつく。

「おいしい」

 まだ飲み込んでいないのに、咀嚼後すぐに口に広がった美味に感動して思わず声を上げた。

「久しぶりに食べたけどおいしいな」

「もしかしていつもカップラーメンを食べているんですか?」

「そうだね」

 栄養が偏るし、身体に悪そうなので先生の体調が心配になる。のんびりベンチで食事ができる私は幸せなのだろうな。

「この前金森さんにカフェの話をしたから、久しぶりに食べたくなったんだ。そしたら金森さんがいて、かなり驚いた」

「私も大槻先生におすすめしてもらったので、今日はカフェのサンドイッチを食べようと朝から決めていました」

「すごい偶然だな」

 目を弓なりに細めて笑う大槻先生の柔和な雰囲気が伝染して、先ほどから私の頬も緩みっぱなしだ。

 上空から響く小鳥のさえずりに耳をかたむけながら、穏やかな気持ちで食事を楽しんだ。
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