ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 当時を振り返り胸が苦しくなる。ジュースをストローで吸い上げて喉を潤わせた。

 どうにか立て直そうと母親は頑張っていたけれど、時間は無情にも流れていき、私の短大進学のタイミングで離婚を決意した。

 家のなかで酔っぱらった父親と私の意見がぶつかることが多々あり、このままでは受験に悪影響が及ぶと判断したのだと思う。

 でも私がいなかったら、父親をとても大切にしていた母親は離婚しなかったのかもしれない。

 大槻先生が言っていたように、私の知らないところでずっとふたりは連絡を取り続けていたのだろうか。

 だとしたら電話に出て母親の現状を伝えるべき?

 考えれば考えるほど動悸がして息苦しさを覚える。

 父親が悪いわけではない。恨むべき相手は失踪した父親の友人だ。

 頭では理解しているけれど、母親を苦しめた父親を私はまだ許せないでいる。
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