ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「金森です」

『電話くれてありがとう。……いや、ありがとうは違うか。困ったことがあったか?』

 身を案じてくれる声掛けに胸がじわりと温かくなった。

「すみません。なにもないんです。ただ……」

 声が聞きたくなって、と言いそうになって慌てて口をつぐんだ。

『なにもないならよかった』

 大槻先生は必要以上に問いただしたりせず、相変わらず優しい声で話を続ける。

「ごめんなさい。お仕事中ですよね」

『暇だと言いたいところなんだが、そうでもなくてね。すまない』

「いえ。私が勝手にお電話したので。あの、それじゃあ……」

 衝動的にかけた電話が今さらながら恥ずかしくなり、居たたまれなくて通話を終わらせようとしたら。

『五分だけ、いいかな?』

「え?」

『金森さんがよければ、五分間だけ、毎日電話で話をしないか』

 大槻先生の言動は毎度私を混乱させる。

 ただ彼の提案が素直に嬉しかったので、考えるよりも先にうなずいていた。
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