ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
『金森さんは頑張り屋なんだろうね』

「そのお言葉そのままお返しします」

 思わずクスリと笑うと、電話口からも笑う声が聞こえてきた。

 五分なんてあっという間だ。名残惜しさを抱きながらも明るい声を出す。

「先生と話をしていたら元気になりました。ありがとうございました」

『俺も金森さんと話ができてよかったよ。じゃあ、また明日』

 胸に甘い痛みが走る。ドキドキと高鳴る音を聞きながら、「はい。また明日」と返事をした。

 スマートフォンをベッドにぽすっと投げ、自分もそこへダイブする。

 シーツに顔を埋めて足をジタバタさせ、くすぐったさを霧散させようと頑張ったが、全身から熱が引いたのはだいぶ経ってからだった。

 この日を境に、私たちは毎日五分間だけ電話をする妙な関係へと変化した。
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