ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 リビングに入ってまず鼻腔をくすぐる匂いに驚き、お洒落な家具たちに更に驚愕しつつキッチンへ駆け寄る。

「もしかして作ってくれたんですか?」

「今晩は自炊するつもりで食材を用意していたんだ。嫌いなものはないって前に言っていたけど、ハンバーグでもいい? って、作りながら聞くのもあれだけど」

 苦笑しながらフライパンを片手で持つ蒼さんに、こくこくとうなずく。

「ハンバーグ大好きです。わっ、しかも野菜までちゃんとある。すごい!」

「匂いがつくからソファで休んでいて。俺はまたシャワーを浴びればいいし」

「本当にお手伝いしなくていいんですか?」

 念押しすると、「いいから」と笑われた。笑顔に胸がキュンとなる。

 すごすごとソファへ移動して部屋のインテリアなどを眺めているあいだに、手際のいい彼によってテーブルの上に料理が並んだ。

 向き合って座り、手を合わせて早速手料理をいただく。

「おいしい!」

「よかった」

「ひとり暮らしを始めて気づいたんですけど、誰かの手料理を食べられるって幸せですよね」

 それにしてもおいしすぎる。外科医というだけあって手先が器用なのだろうな。
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