ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「みちるは自炊するのか?」

 危うく肉の塊を喉に詰まらせるところだった。ケホッと軽く咳込んで、グラスに入った冷えた麦茶で喉をスッキリとさせる。

 みちるちゃん呼びだったのに、このタイミングで呼び捨てにするなんて。

 なんでもサラッとやってのける人だ。

「簡単なものだったら作りますけど、蒼さんの方が上手かも」

 謙遜ではなく本音なので渋い表情を作ると、蒼さんはおかしそうに笑った。

 ここで『手料理が食べたい』とか言わないのがいい。ありのままの自分を受け入れてくれる安心感があって、自然と素をさらけ出してもいいのだと心を許せる。

 食事を終えた頃には、時刻は二十一時を回っていた。

『みちるに触れるには匂いが気になるから』と、もう一度シャワーを浴びた蒼さんがリビングに戻ってきてテレビのリモコンを操作する。

 このあとはどうするのだろう……。

 年頃の男女がふたりきりで過ごす夜といったら、やることは決まっているよね。
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