ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
「金森涼香(すずか)さんの娘さんですか?」

「そうです」

「よかった。金森さんとずっと連絡が取れなくて困っていたんです」

 母親といったいどういう間柄?

 まだ警戒をとけずに怪訝な顔をしていたら、男性はいっそう笑みを深くした。

「金森克己(かつみ)さんは、あなたの父親ですよね?」

「あの、どういったご用件でしょうか」

 質問を重ねられて不信感が募り少し声を尖らせて尋ねた。

「私は克己さんが借り入れをしている金融機関の者です。先月と今月の分をまだいただいておらず、こうして涼香さんの元を訪ねてきた次第です」

 事情を聞いてしまえばもう男性の笑顔には胡散臭さしかなくて、バッグを持つ右手に無意識に力が入る。

「離婚しているので、母が父の借金を払う義務はないと思うのですが」

「まあそうなんですけどね。でも娘のあなたにはあるでしょう?」

 理解が追いつかず頭が混乱する。

 私には支払い義務があるの? どうして?
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