【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「ひどい……これって笑うようなこと?」

 忙しい母親に代わって家事をして来たのだと、自分が双子の弟の母親代わりでもあったのだと涙ながらに語りだす。

「だから料理には自信があるの。彼のために栄養バランスのいいおかずを考えたり、彼好みのだし巻き卵を作ったり、そういうのって、おかしいこと?」

 半分顔を埋めた枕には、ポツリポツリと涙のシミができていく。
 綺麗な顔を震わせるその姿に胸が締め付けられた。


「……おかしくなんかないさ」

 大切な人のために美味しい料理を振る舞いたい、相手の好みの卵焼きを作ってあげたい、喜ばせてあげたい……。
 それはかつての俺が母親にして欲しかったこと、そしてしてやりたいと思っていたことだ。

「笑って悪かったな」

 俺は思わずベッドに座り、彼女の髪を撫でていた。

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