【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「……忘れたいのか?」
「うん、忘れたい」

「抱いてやろうか」
「抱いてもらえば忘れられる?」

 涙で化粧の滲んだボロボロの顔で、彼女が見上げてきた。
 みっともないとか醜いだなんて思わない。
 ただ目の前にいる(あわ)れで一途な女を慰めてやりたいと思った。


「忘れさせてやるよ。最高に気持ちいい方法で、クズ男の記憶を上書きしてやる」

 ゆっくりと彼女の上に倒れ込むと、目尻の涙を唇で拭う。

「けれどこれだけは覚えておけよ、俺は甘い卵焼きが好きなんだ」

 フフッと微笑みうなずくその顔を見て、『ああ、可愛いな』と胸が疼いた。
 もしかしたらその時点ですでにハマっていたのかもしれない。

 けれどその時の俺は、泣いている彼女をただ癒してやりたい、(いたわ)ってやりたいと思っていて。

 なのに剥いだ服からまろび出た豊満な胸や白い肌にあっという間に興奮して。

 気づけば我を忘れて彼女の肌に吸いついていた。

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