【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「臣海さんと別れていただけない?」
2人がけのローソファーに腰を下ろすと、環妃さんは開口一番にそう告げた。
私はローテーブルを挟んで反対側に正座したまま、どう答えるべきかと考える。
答えはもちろん『ノー』だ。臣海さんと別れるなんて考えられないし、今度こそ彼を信じて待つと決めている。
けれど臣海さんと環妃さんとの間でどんな話がされているかがわからないうちに、私が何を言えばいいのか……。
少し考えて「嫌です」とだけ答えた私に環妃さんが険しい顔をした。
しかしそれはほんの一瞬だけで、すぐに艶やかな笑顔を浮かべて口を開く。
「あの日、あなた方が逃げ出したあとで臣海さんは私を抱いたわよ」
「えっ……」
予期せぬ言葉に固まる私に、彼女は照れ臭そうに首をすくめてみせる。