【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「ですから理由は他に好きな女性が……」
「それは構いません」
「えっ?」
「臣海さんにそういうお相手がたくさんいらっしゃることは把握していますし、今さら1人増えたところで私は傷つきませんから」
「いや、彼女はそういうのじゃ……」
俺の言葉を遮るように環妃さんは言葉をかぶせる。
「愛人を作るのは構いません。私の父も愛人を秘書にしているし、臣海さんのお父様だって……色々あったじゃないですか」
彼女が放った言葉は凄まじい威力を持っていた。
それは俺の急所を的確に突いてきて、一時的にせよ戦意を喪失させるのに十分で。
顔色を変えた俺に、環妃さんは申し訳なさそうに眉根を寄せる。
「ごめんなさい、こんなことを言うつもりじゃなかったの。ただ私は、いずれ臣海さんと結婚するものと信じて2年近く過ごしてきたから……」
いきなりこんなことを言われても納得できない、気持ちの整理が着くまで時間がほしい。
2年間も期待させてきたのだから、そちらも誠意を見せるべきだ……。
そう畳みかけられてしまえば、俺はそれ以上説得を続けることができなかった。