【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「相手はどこのどなたですか?」
「言いたくない。言えば妨害されるだろ?」
「いくらでも調べようはありますが?」
そうだった。KUONグループにはお抱えの弁護士がいるし御用達の興信所もある。その気になればほんの数日で菜月にたどり着く。
そして俺が知らないことまで洗いざらい調べ上げるに違いない。
ただ、俺が菜月に接触しなければ突き止めようがないだろうが……いや、彼女に会わないなんて俺が無理だ。
「ある程度のことを把握しておかなければ、いざというときに対処できなくなります。できれば臣海様の口から教えていただきたいのですが」
ここで黙秘を貫いても無駄な足掻きなのだろう。
それに環妃さんがどちらかの親に苦情を申し立てればどうせ大問題になるのだ。だったら鮎川に事情を話して今後の対処を考えるほうが得策だ。
「北見菜月、27歳。JAWのCAだ」
「機内で知り合われたのですか?」
「いや、最初はホテル……って、そこは関係ないだろう?」
それだけでなんとなく察したのか、鮎川は深く追及せずに質問を変える。