【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
『あの人が沖縄に行っている間のほうが都合がいいからな』
臣海さんの言う『あの人』とは義母の千春さんのことで、2週間ほど沖縄に行っているらしい。
『俺が父さんに直談判して婚約解消の話を決めてしまったものだからご立腹なんだろう。向こうで次の手でも練っているのかもしれないが……』
その言葉に私が顔を曇らせたのに気づいたのだろう。臣海さんが安心させるように私の髪を撫でた。
『俺と父親も沖縄に行って謝罪をしたし、慰謝料も含めて話し合いは済んでいるんだ。婚約解消は覆らない』
次の話が来たとしても……と臣海さんが言葉を濁すのを見て、そうか、次の見合い話が持ち込まれる可能性もあるのだと考える。
――それに慰謝料も……。
実業家同士の破談ともなれば相当な額を支払ったのではないだろうか。臣海さんは『心配しなくても大丈夫』と言っていたけれど、私だって責任を感じずにはいられない。
だから今日の会食も、何を言われるのだろうかと戦々恐々としながら席についたのだった。