【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
彼女との連絡が途絶えたのはその直後だ。
電話もメールも繋がらなくなり、心配で様子を見に行こうにも日本を離れるわけにもいかず。
それから2ヶ月後にどうにか時間を作ってニューヨークに行くと、すでに彼女の姿はどこにもなかった。
短い滞在期間でニューヨーク中を探しまわるにも限界があり、傷心のまま帰国した久遠さんは千春さんとお見合いをし、その後結婚した。
「――海冬……おまえの母親から手紙が届いたのはそれから11年も経ってからのことだ」
そこには、この手紙が届いたときには自分はすでにこの世にいないこと、実は龍臣さんとの間に11歳になる息子がいること、今後自分の母親に何かあれば息子が1人ぼっちになってしまう、助けてあげてほしいと書いてあった。
そして、こんな形で迷惑をかけることになってしまい、ごめんなさい……と。
「最後に息子の名前は『臣海』だと書いてあって……いてもたってもいられなくなり、葬儀の場に駆けつけた」
そこで海冬さんの母親から海冬さんが帰国したときにはすでに妊娠していたことや、乳がんで亡くなったこと、死後すぐにこの手紙を投函するよう言われていたことを教えられた。