【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
当時28歳でKUONホテルニューヨーク店で修行中だった久遠さんは、ホテル近くのカフェでウエイトレスのバイトをしていた白石海冬さんと出会い、恋に落ちた。
久遠さんの一目惚れで、猛アプローチの末に交際に漕ぎ着けたのだという。
海冬さんは日本から留学していた21歳の大学生で、ニューヨーク生まれで英語が堪能な、美しく聡明な女性だった。
彼女は大学の寮に住んでいたのだが、時間があればKUONホテル内の久遠さんの部屋を訪れ、ほぼ同棲に近い生活を送っていたらしい。
5ヶ月後、順調に交際を続けていた2人を悲劇が襲う。
KUONホテル創業者である久遠さんの父親が心筋梗塞で急死したのだ。
慌てて帰国した久遠さんは弱冠28歳にして会社トップとなり、母親や親戚、ベテランの部下に支えられながら組織を立て直すために奔走することとなる。
海冬さんとはたまに電話やメールで連絡をとっていたものの、日々の業務に忙殺されて、それも途絶えがちになっていった。
そんなとき、現在の妻である間宮千春さんとの間で見合い話が持ち上がる。
海冬さんを愛していた久遠さんはもちろん固辞し、ニューヨークにいる彼女に窮状を伝えた。
『君を母に紹介したい。航空券を手配するから日本に来ることはできないか?』
しかし海冬さんは答えを濁し、『考えさせてほしい』とだけ告げて、その場は電話を切ったらしい。