【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「そういえば、ブリーフィングはどうだった? 何か特別な報告はあった?」
キャリーケースを引きながらミヤちゃんと並んで歩き出すと、彼女は間髪を容れず、「特に無し」と答えた。
「私が受け持つビジネスクラスに妊婦さんがいるくらいかな〜。菜月のファーストクラスは問題なし」
「そうか。でもスタンバイって直前までどこに呼ばれるかわからないぶん緊張するよね」
「だよね」
そんな会話を交わしていた私たちも、通路に出れば口を閉じて表情を引き締める。
――乗客の搭乗前に時間を見つけてお客様情報をチェックしておこう。
そんなことを考えつつ、プロのCAの顔をして飛行機に乗り込むのだった。
なのに……。
キャビンに入った私はチーフパーサーから手渡された乗客名簿を見て固まって、それからゆっくりと顔を上げる。
「これ、どういうことでしょう?」
「どうって、そのままよ。担当よろしくね」
「えっ……ええっ!?」
――ちょっと、嘘でしょ!