【2/4 番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「よし、次は臣海が菜月さんを抱き上げて」

 ――えっ?

「あっ、キャッ!」

 臣海さんはドレス姿の私を軽々とお姫様抱っこして、その場でクルクルと2回転してみせる。

「キャアっ!」

 必死で彼の首にしがみつく私を「ハハッ」と笑い、臣海さんは額にチュッとキスをした。

「菜月、ありがとう。最高の奇跡が起こった。……なんだか夢みたいだ」

「……夢でも奇跡でもないよ。臣海さんが頑張って実現させてくれたの。そして私は……そんなあなたを心から愛してる」

 臣海さんの瞳が微かに揺れて、そしてゆっくりと細められる。

「菜月、愛してる」

 角度をつけた顔が近づくと、私は迷わず目を閉じた。


「わぁっ、素敵!」
「菜月、おめでとう!」
「2人ともおしあわせに〜!」

 祝福の声とシャッター音に包まれながら、私と臣海さんは黄金の時計台を一緒に見上げるのだった。




 Fin
 
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