【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 彼女の膝枕で子守唄を歌ってもらうと、心も身体も癒される。

 菜月と休みを合わせるためにいくつかの重要案件を済ませてきたが、こんな時間を過ごせるのなら無理した甲斐があったというものだ。

 菜月の身体はどこもかしこも気持ちがいい。俺のすべてを受け入れてくれるようで心底落ち着く。

「菜月の歌声が悪い」
「えっ?」

「おまえの歌声が優しすぎるから、俺の本音が溢れてしまうんだ。見せるつもりもなかった弱い部分までついつい曝け出してしまう」

 俺がポロリとこぼした情けない言葉を、けれど彼女は馬鹿にしなかった。

「そうか、よかった」
「は?」

「それって私になら弱い部分も見せられるってことでしょ? 恋人なんだからいいじゃない。私は嬉しいよ。ありがとう」

 ――そうか、俺は彼女になら弱い部分も甘えも(さら)していいのか。

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