【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
今日の私の勤務は『スタンバイ』。つまり欠員が出た場合すぐに代わりができるよう自宅待機しているというものだ。
そして朝食を終えてパジャマ姿でのんびりしていたところに呼び出しがあり、急遽午前10時20分発ニューヨーク行きの便に乗務することになった。
乗務予定だったCAの1人が急病になったのだ。
ニューヨークに2泊滞在するための着替えや化粧品をスーツケースに詰め込んだところで掛け時計にチラリと目をやる。
──もう午前9時過ぎ!
私が住んでいるアパートから羽田空港までは車で約7分。向こうで着替える時間がもったいないので制服を着ていくことにした。
洗面台の鏡でキツめな自分の顔に化粧を施すと、黒いストレートロングの髪をシンプルなお団子にまとめる。
コートを羽織って慌ただしくタクシーに飛び乗ったものの、道路が渋滞していたため到着がギリギリの時間になってしまったのだった。
「ミヤちゃんが一緒で嬉しい。よろしくね」
「うん、こちらこそ」
搭乗前はいつも緊張するけれど、今日みたいにスタンバイからの呼び出しは事前準備ができていないぶん尚更だ。
だからJAWの同期入社で同じ27歳のミヤちゃんが一緒なら心強いと、私は胸を撫で下ろした。