【2/4 番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「もう、なんてエッチな夢を見てるんだろう」
「おはよう」
「ヒャッ!」
声のしたほうを見ると、寝室の入り口に臣海さんが立っていた。
――嘘っ、今の聞かれた? ギリギリセーフ?
これは知らぬ顔でスルーすべしと判断し、得意の乗務用スマイルで「おはようございます」と返した。
「それで、どんなエロい夢だったんだ。相手は俺?」
――アウトだった!
口元がニヤつき目が細められている。これは完全に聞かれていた。
「あっ、え〜と……今は何時かな?」
時間を確認するフリでベッドサイドテーブルを振り返る。
「午前7時前だが? それでエッチの相手はちゃんと俺だったのか? まさか自分で……」
「あ〜っ、臣海さんです! 前に会った時の夢を見てただけだから!」
「ふはっ、だったらいい」
彼が頬を緩めながら近づいてくると、ベッドサイドに腰を下ろして手に持っていたドライヤーを差し出してきた。