【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
そのとき急に彼が立ち上がった。
冷蔵庫から白い小箱を出してきて、中からイチゴのショートケーキとチョコレートケーキを取り出してみせる。
「どっちが好きなんだ」
「えっ、イチゴ」
「俺もイチゴが好みだが、こういうのは主役が優先だからな、今回は菜月に譲ってやろう」
そう言って私のほうにイチゴショートケーキをズイッと押した。
「菜月、3日遅れだが誕生日おめでとう」
――えっ?
「彼氏に祝ってもらうのに憧れてたんだろ? ロウソクが無いのは許してくれ。後で気づいたんだ」
「臣海さん……」
「本当は5th アヴェニューで誕生日プレゼントを買うつもりだったんだが、菜月が嫌がるからな」
「嘘っ、そんなことを考えてたの?」
臣海さんは口元を微妙に歪めて「物で釣ろうとかそんなつもりはなかったんだが」と独りごちる。
「初デートで、菜月の誕生日のお祝いなんだぞ。恋人として何かしたいに決まってるだろう」
だから色々考えて、私が寝ている間に料理を作ることを思いついたのだと言う。