【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
うちのホテルには、オーバーブッキングした場合や常連客が急に訪れた時のための予備の部屋がある。
今晩はそこで寝かせて明日になったら料金を請求してやればいい。
しかし電話を切った悠が「駄目だ」と首を横に振った。
「オーバーブッキングが出てエキストラルームを使っているらしい。もう空室は無いよ」
「くそっ、運の悪い……わかった、俺の部屋に連れて行く」
「おい、客には手を出さないんじゃなかったのかよ」
「出さないに決まってるだろ。後で面倒なことになるのは御免だからな」
こんなのをここに放っておけないだけだ……と吐き捨てて、ぐったりしている女の肩を抱く。
「本当に間違えるなよ」
「わかってるよ」
背中に被せられた悠の言葉にうなずくと、俺は彼女と共にバーを出てエレベーターに乗り込んだ。
――間違いなんて起こすはずがあるか。遊ぶ相手は見極めてるからな。
そう心の中で呟いていたのだが……その直後、まさかの『間違い』が起こることになる。
いや、違う。あれは間違いなんかじゃなかったんだ。
俺にとっては運命の出会い、『一生に一度の恋』の始まりになったのだから。