冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
……芽衣は、やはり芽衣だ。慈悲深い彼女の言葉を受け、俺は当事者でもないのに心が救われる思いがした。
俺は芽衣と塁の立場さえ守れれば、PTA会長が娘に軽蔑されようが役職を下ろされようが、関係ないと思っていた。しかし芽衣はきっと、彼女の心をも救いたいと望んでいる。
罪を憎んで人を憎まず。言葉で言うのは簡単でも、実際には難しいその〝赦し〟の精神を実践する芽衣が、まるで神々しいもののように見えた。
「観月先生の言う通りですね。カウンセラーの先生が毎日常駐している学校というのは、都内、いや全国的に見てもとても珍しく、恵まれている環境と言えます。カウンセリング室は保健室とはまた別の、心を手当してもらえる貴重な場ですので、私自身は観月先生がこの学園に必要と考えますが……この意見に賛成の皆様は、挙手をお願いできますか?」
学園長が全体を見渡してそう投げかけると、この場にいる全員が、迷わず手を挙げた。もちろん、PTA会長もだ。
学園長は満足そうにうなずくと、その場で芽衣と塁の自宅謹慎を解き、その場は解散となった。