冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
会長の涙ながらの告白に、会議室はしんと静まり返る。……任務完了、だな。
あとは、学園長がどんな判断を下すのかを待つだけ。
「あの、少し発言してもよろしいですか?」
しかし、この静けさを破ったのは意外にも芽衣だった。学園長に「どうぞ」と促され、芽衣は遠慮がちに話しだす。
「もしかしたら、あまり周知されていないのかもしれませんが……カウンセリング室は、生徒だけでなく、教職員、そして保護者の皆様にもお使いいただけます。もちろん事前に予約は必要になるのですが、日々の子育ての小さな悩みやママ友トラブルのご相談、なにを話していただいても構いません」
芽衣の言葉に、すすり泣いていたPTA会長が顔を上げる。芽衣は彼女の目をしっかりと見つめ、穏やかに続けた。
「この幾望学園には、せっかくそんな素晴らしい環境があるんです。カウンセリング室を使うのが恥ずかしい、人目が気になるという意識を保護者の方から変えていただけると、生徒もより使いやすくなるかもしれません。風邪を引くのと同じで、誰だって心が弱ることはあります。もちろん、PTA会長だって。そんな時のためにカウンセリング室があって、私がいます。どうかご理解いただき、会長の口からも今一度、カウンセリング室の意義を会員の皆様にお伝えしていただけると大変うれしいのですが」