冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
つい悪い想像をしそうになっていると、至さんはなぜか焦ったように席を立った。
「蘭さん、ちょっとこっちへ」
「えーっ? なんで? 紹介してよ、彼女」
「絶対嫌です」
至さんはそのまま蘭さんを連れ、私の目の届かない場所まで行ってしまった。
取り残された私は、先ほどまでの楽しい時間が嘘だったかのように、気分がふさぐ。
彼女のこと、ずっと考えないようにしていたけれど……やっぱり、至さんとそういう関係なの?
普通の同僚なら紹介できるはずなのに、どうしてコソコソするような真似を……。
「こんにちは」
悶々としていると、今度は聞いたことのない男性の声が頭上から降ってきた。
私に挨拶してる……?
半信半疑で顔を上げた先には、アラフォーくらいと思われる、ゆるいパーマのかかった茶髪の男性が立っていた。
ニコニコと彼が浮かべる軽薄そうな笑みは、婚活パーティーの時の強引な男性、難波さんを彷彿とさせる。
もしかして、ナンパ? 警戒心を張り巡らせながら、一応問いかける。