冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
甘やかしたいだなんて言われてまたしてもどぎまぎしつつ、お言葉に甘えて食事を楽しむことにする。至さんと料理の感想を言い合いながら笑っていると、まるで付き合っていた頃に戻ったかのよう。
成優のことや至さんのお母様のことも、焦らずゆっくり、ふたりで最善の道を模索していけばいいのではないだろうか。
ようやくポジティブに考え始めた彼との未来について、私から切りだそうとしたその時だった。
「あれ? 至くんじゃない?」
私たちの席のそばで、ふと女性の声がした。
顔を上げると、そこにいたのは見覚えのある美しい女性がいた。たしか、蘭さんという名だ。
私はとっさに過去を回想し、胸が苦しくなった。あれは、私が至さんに妊娠の件を相談しようとしていた日。
『あと、コンドームも買っておこうか?』
蘭さんはコンビニで至さんにそう持ち掛け、ふたりで意味深な会話をしていた。
昔見た時より顔がふっくらとしていて、お腹が大きい。どうやら妊娠しているようだ。
妊娠……まさか、至さんの子じゃないよね……?