冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
嘘……あの至さんが? 確かに、動物園でデートしたあの日、私に会いたくなったらパンダにキスして我慢してと、冗談では言ったけど……まさか本当にそうしていたなんて。
驚きと、くすぐったいようなうれしさでなにも言えずにいると、テラスに慌てた様子の至さんが戻ってきた。
「ちょっ、三船さん! 芽衣に余計なこと吹き込まないでください!」
「残念~。パンダにキスする話はもうしちゃった」
「なっ……!」
「至くん、観念しなよ。素直になるのは悪いことじゃないんだから」
頬を赤らめて口をパクパクさせる至さんの背後から、蘭さんがひょこっと顔を出す。そして、三船さんの隣に移動した彼女は、彼の腕にギュッと掴まり身を寄せた。
その時初めて、三船さんと蘭さんの左手の薬指に、お揃いの指輪が光っているのに気づく。
あれ? もしかして蘭さんと三船さんって……。
「卑怯ですよ。夫婦で結託して勝手に芽衣に近づいて」
「たまたま夫婦で食事に来たら、部下が恋人の前でデレデレしてる姿を見かけたんだ。冷やかそうと思うのが普通だろう。ねえ、蘭ちゃん?」
「そうだよ。京ちゃんの言う通り!」