冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「立派になったな、至」
「……こんな時だけ父親面かよ」
塁とは反対側に椅子を置いて座り、俺は目を逸らしてそう言った。本心ではその身を案じていても、簡単に素直になることはできない。
「ああ、その通りだ。最後にどうしても父親面がしたくて、お前たちを呼んだ。しかし、ふたりとも来てくれるとは意外だった。自分のしたことを思えば、断られるとばかり……」
病のせいで、父は気持ちまで落ち込んでいるようだ。過去の過ちを悔やむように、目を伏せている。
「俺はそこまで恨んでないですよ。不倫したのは俺の母親も同罪ですし……俺、小学生だったから、ぶっちゃけあんまちゃんと覚えてないし。まぁ、兄貴はそうはいかないかもしれないけど」
塁がそう言ってちらりと俺を見る。しかし、俺はそう簡単に父にかける言葉が見つからない。
「至に恨まれるのは当然だ。俺自身、こんな体になったのは自分のしたことの報いだと思っている。因果応報というのは本当にあるんだと、身をもって知ったよ」