冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「そういえば、知っていますか? 恋愛すると瞳孔が開くって話」
「瞳孔? 目の内側の黒い部分のことだよな」
「そうです。暗い場所で瞳孔が開くのはご存じだと思いますが、それ以外にも好きなもの、興味のあるものを見つめる時、人は自然と瞳孔が開くんです。今の至さんもそうだなって」
「……目は口ほどにものを言うというのは本当だな」
ちょっぴり照れくさそうに笑った至さんは、私をギュッと腕の中に閉じ込め、まるで猫にそうするかのように、私の髪に鼻をこすりつける。
先ほどの宣言通り、私に甘えているんだろうと感じてうれしくなる。
やっぱり、誰しもたったひとりじゃ生きていけないもの。恋人という、すべてをさらけ出せる相手にだけは、弱音を吐いたり甘えたりしていい。そう思うだけで、心に安心が広がる。
初めて会った時から思っていたけれど、至さんとは価値観や考え方が似ていて、一緒にいるのがとても心地いい。
体を繋げた後でもその想いが揺らぐことはなく、むしろ絆はより強固なものになっていった。
その頃には、お母様もひとりでカウンセリングを受けるようになっていて、少しずつではあるが、心の落ち着きを取り戻してきていた。
至さんは、もう少しお母様の状態が安定したら、私のことを紹介したいとも言ってくれていた。