冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
ぎょっとして見え上げた先の彼は不敵に微笑んでいて、やっぱり彼の方が余裕たっぷりではないかと思いつつ、私はもう意味のある言葉を紡げなくなった。
代わりに彼の思うがままに啼かされ、喉が擦り切れたように痛くなる。
キスで注がれた彼の唾液を水分の代わりに飲み込むと、喉が潤うとともに至さんの甘い毒が全身に回っていく感覚がして、恍惚とした。
「かすれた声で喘ぐ芽衣の姿、たまらなかったよ」
シャワーを浴びて眠る前、至さんは私に腕枕しながらクスクスと笑った。
「ちょっと、いちいち思い出さないでください」
「その上目遣いもいいな。芽衣はふたりきりの時の方が子どもっぽくてかわいい」
「もうっ……」
「俺にはいつでも遠慮なく甘えてほしいってことだ。……ついでに、俺も甘える」
至さんはそう言って甘い微笑みを浮かべると、私の鼻の頭にチュッと音を立ててキスを落とす。
その時、彼の瞳がいつも以上に黒々と美しく輝いていたのに気づき、私はこんな話をした。