冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
天気は気持ちの良い秋晴れ。待ち合わせ場所の駅の改札口には五分前に到着したのだが、至さんの方が早く来ていた。
長身でイケメンの彼は、Tシャツにカーディガン、細身のジーンズ、スニーカーというカジュアルスタイルで柱に背を預けているだけで、周囲の注目を浴びている。
そんな彼に声をかけるのが、美女でもなんでもない一般女性の私であることに未だに気後れのようなものを感じる。
でも、私はれっきとした恋人だし、お腹には愛の結晶だって育っているのだ。自信を持ちなさい、芽衣。
「至さん!」
お弁当の入ったトートバッグを揺らして彼に近づいていくと、至さんが優しく目を細めて笑った。お弁当のバッグをさりげなく私の手から取り、反対の手を私と繋ぐ。
「休みの日に早起きさせて悪いな」
「全然大丈夫です。でも、どうして動物園デートにしたんですか?」
「……人間の相手に疲れた」
かすかに笑って、至さんが言う。よく見ると、たしかにその横顔には疲労が滲んでいる気がした。
そんな時にデートに付き合わせてしまって、こちらこそ申し訳なくなる。