冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

 今日は日曜で休みなので、午前中はゆっくり家事をしてからスーパーに買い物に行き、お昼の材料を買って、焼きそばを作った。

 成優は野菜が苦手なのだけれど、焼きそばに入れたモヤシは麺と見紛って食べてくれるので、今日も「しめしめ」とほくそ笑んだところである。

 後片付けの間にアニメのDVDを見せていたら自然と眠り込んだ成優を布団に寝かせ、自分もその隣でひと休みしようと横になったら、即座に夢の中だった。

 それにしても、至さんの夢を見るのは久しぶりだった。彼は初対面からカッコよくて、私の心をあっという間にさらっていった。

 そして今も……私の心は彼に囚われたまま。

 洗面所で顔を洗いながらそんなことを思うと、鏡に映った自分の顔に悲壮感が漂っていた。今日はこれから予定があるのに、こんな顔じゃ外に出れない……。

 頭を冷やそうとバシャバシャと冷たい水で顔を洗い、気を取り直してメイクを始めた。

 今夜は妹・叶未(かなみ)の家に招待されていて、成優と同い年の甥である瑛太(えいた)の三歳の誕生日を祝う約束なのだ。

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