冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「気持ちはうれしいけど、私みたいな子持ちのおばさん口説いてどうするの。若者は若者同士、青春しなさい」
「芽衣ちゃんはおばさんじゃねーし」
「ふふっ、ありがと」
「……全然本気にしてくんねーのな。もういい」

 がたっと席を立ち、崎本くんが乱暴にカウンセリング室の扉を開けて出ていく。

 彼が荒れる姿を見るのは久しぶり。あんな風にはぐらかしたのは失敗だったかな……。

 私は額に手を当て、小さくため息をついた。


 夕方六時、まだまだ職員室に先生方の姿は多く見られるが、私は成優のお迎えのために大体この時間に上がらせてもらう。

 先生方に挨拶を出て昇降口を出ると、学園の周囲をランニングしていた運動部の生徒の一団が戻ってきたところだった。

 先頭を走っていたジャージ姿の顧問が私の姿に気づき、ランニング帰りとは思えない軽やかな駆け足で近づいてくる。

< 69 / 223 >

この作品をシェア

pagetop