冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「お疲れさまです、観月先生。これからお迎えですか?」
「ええ。草野先生もお疲れさまです。相変わらずすごい体力ですね」
「筋肉バカなんで、これしか取り柄がないんですよ」
「尊敬します。私、運動はからっきしなので」
もともと糸のように細い目をさらに細めて笑う草野先生。彼は私と同い年の体育教師で、職場で最も親しい同僚。
至さんに別れを告げる手紙に勝手に出演してもらったのも、なにを隠そう彼のことだ。
至さんと別れた当時、落ち込み気味だった私に気づいて心配してくれた草野先生には、『ものすごくカッコいい弁護士先生にフラれちゃって』と、あくまで軽くだが失恋の事実も伝えてある。
筋肉バカだなんて自分を揶揄するけれど、絵に描いたような熱血教師で、生徒たちからの信頼も厚い。私も、明るい彼にはいつも元気をもらっている。
「鍛える気になったらいつでも僕に言ってください。じゃ、そろそろ部活に戻ります」
「ええ、頑張ってください」