冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
それにしても、彼が弁護士だったとは……。モデルか俳優にでもなれそうな容姿でありながら、意外とお堅い職業なんだな。
「待ってくれ。僕は訴えられるのか?」
「それはあなた次第でしょう。訴訟を起こされて社会的地位を失うのが困るというのなら、それ相応の示談金が必要です。もちろん、被害女性への心からの謝罪もしていただかなければなりません。それが嫌なら、裁判しかありません」
「わ、わかった。金なら払う! どこへ連絡すればいい!」
みるみるうちに焦りだした難波さんが、スーツのポケットからスマホを取り出して郡司さんに詰め寄る。郡司さんは彼に名刺を手渡し、事務的に告げた。
「こちらに事務所の電話番号が載っていますので、平日に連絡を。上司の名は三船です」
「三船だな? わかった。じゃ、僕はこれで――」
難波さんがそそくさと会場を出ようとしたその瞬間、郡司さんの目つきが突然鋭いものになり、素早く彼の肩を掴んだ。
「待ってください。まだ、彼女に謝っていません」
厳しい口調で告げ、郡司さんが私を振り返る。その真剣な目にドキッと胸が跳ねるが、彼のおかげでなにも被害はなかったのだから、恐縮してしまう。